「ビール」と「発泡酒」と「第3のビール」って何が違うの?
ビールが好きでよく飲むけど、意外と知らない人も多いのではないでしょうか?
僕もなんとなくでしか知らなかったので調べてみたよ
この記事では「ビール」と「発泡酒」と「第3のビール」の違いと特徴について解説します。
- それぞれの違いと特徴
- 見分け方
- 酒税法の改正について
- 【おまけ】ビールの分類クイズ
先に結論から!ということで
簡単にまとめたもの載せておきます。
【ビール】
- 麦芽、ホップ、水を原料に発酵させたもの
- 副原料に政令指定のものを使用している
- 麦芽の使用比率が50%以上
- 副原料の使用比率が麦芽の使用比率の5%以内
【発泡酒】
- 麦芽使用比率50%未満
- 副原料に政令で定められていない物品を使用している
- 副原料の割合が麦芽使用比率の5%を超えるもの
【第三のビール(新ジャンル)
- 糖類、ホップ、水及び麦芽以外の物品(穀物など政令で定められたもの)を原料として発酵させた酒類でエキス分が2度以上のもの
- 政令で定める発泡酒に麦由来のスピリッツを混ぜたもので、エキス分が2度以上のもの
缶の表記で見分けることができます
ビール
- ビール
- 生ビール
- 生
- 麦芽100%
- 非熱処理
- 熱処理
などの記載がある
発泡酒
発泡酒と記載
第三のビール(新ジャンル)
- その他の醸造酒(発泡性)②
- リキュール(発泡性)②
と表記がある
それぞれの違いはこのようになっています。
以下で詳細に解説しています。
良ければ最後まで見ていってください。
【書いた人】
30代ビール大好きサラリーマン。仕事と子育てに追われる日々の中で、ビールを飲む時間が至福のひと時。ビール好きなのに詳しいことがわからないのが悔しくてビール検定3級取得、2級勉強中。値上げと体重増加のWパンチで週2に制限中(´;ω;`)毎日飲みたい・・・
1mmでも興味が出たらフォローお願いします(@fupa76670130)
早速、解説していきます。
ビールと発泡酒と第3のビールの違いって何?

「ビール」と「発泡酒」と「第三のビール」って何が違うの?
「酒税法」によって「麦芽使用比率」と「副原料」の違いから、それぞれに分類されているよ
聞き慣れない単語が出てきましたが、簡単に解説します↓↓
酒税法
お酒の定義や分類、税率などの基本的な事項を定めたもの。
酒類の製造、販売の免許や税徴収に関する決まりなども定めている。
麦芽使用比率
ビールに使用されている麦芽の比率のこと。
副原料
ビールに使用する原料で麦芽、ホップ、水、以外のもの。
これはなんとなくわかる
用語がわかったところで「それぞれの違いと特徴」について見ていきましょう。
まずはビールの定義から
- 麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの
- 麦芽使用比率が50%以上
- 副原料に政令で定められている物品(※)を使用している
- 副原料の割合が麦芽使用比率の5%以下
※政令で定められている物品とは
主なものとしては
麦、米、とうもろこし、こうりゃん、ばれいしょ、デンプン、糖類、または財務省令で定める苦味料もしくは着色料、コリアンダーやオレンジピールなどがあります。
詳しくはこちらのサイトで確認できます
近年では、様々な副原料を使った「クラフトビール」が増えています。
次にビールの特徴をまとめてみました
ビールの特徴
- 麦の味わいが楽しめる
- ホップの苦みが効いている
- 大手メーカーのビールはバランスがよくて飲みやすい
- クラフトビールも個性豊かで飲み比べが楽しい
- 税率が高く設定されているので値段は高い
国内大手メーカーはどれも安定
クラフトビールもたくさんあって迷うよね
続いて「発泡酒」の定義について見ていきます。
- 麦芽使用比率50%未満
- 副原料に政令で定められていない物品を使用している
- 副原料の割合が麦芽使用比率の5%を超えるもの
※どれか一つでも該当すると発泡酒となります
一部のクラフトビールや海外のビールなどでよくあるのが、
麦芽使用比率が50%以上なのに「発泡酒」に分類されているというパターン。
副原料に指定されたもの以外を使用していることで、日本の酒税法上「発泡酒」に分類されますが
「発泡酒」の中には、「麦芽使用比率」が高いものもあります。
その場合は課税額が高くなるので、「発泡酒なのに値段が高い!」と驚くことも・・・
確かに!こんなに高いのに発泡酒!?って思ったやつある!
海外ではビール扱いでも、日本の酒税法で分類が決まるからね
発泡酒の特徴
- 値段が安い
- 酒税法の関係で値段が高いものもある(一部のクラフトビールや海外のビール)
- メーカーの努力により、味わいと質が向上している
- カロリーゼロなど健康に訴求した製品も増えている
どうしても発泡酒を避けてしまうの
僕も昔はそうでした・・・
「発泡酒=まずい」というイメージが先行して
手に取るのを避けてしまう、という人もいるかと思いますが
最近の発泡酒は企業努力により品質が向上しています。
酒税法のことを知っていくと「発泡酒」と表記されていても「とりあえず飲んでみよう♪」とも思えますよ。
まずは飲んでみて
続いて「第三のビール(いわゆる新ジャンル)」の定義について見ていきましょう
- 糖類、ホップ、水及び麦芽以外の物品(穀物など政令で定められたもの)を原料として発酵させた酒類でエキス分が2度以上のもの
- 政令で定める発泡酒に麦由来のスピリッツを混ぜたもので、エキス分が2度以上のもの
上記の2つの製造方法によって、それぞれ
- 「その他の醸造酒(発泡性)②」
- 「リキュール(発泡性)②」
に分類されます。
ざっくり言うと上記の表示があれば「これは第三のビール」という理解で大丈夫です。
ビールでも発泡酒でもなければ「第三のビール」
ちなみに少し前までは
- 「その他の醸造酒(発泡性)①」
- 「リキュール(発泡性)①」
という表記のものが存在していましたが、2020年の改正ですべて②に変更となりました。①や②は税率区分を表しているものだそうです。
①は古いのね
次に第三のビールの特徴をまとめてみたよ
第三のビール(新ジャンル)の特徴
- ビールテイストのお酒
- クオリティーが高い
- ビール初心者にもオススメ
- コスパが良い
- 毎日晩酌する人は普段飲みの選択肢としてもあり
最近の新ジャンルはクオリティ高いよね
2杯目以降にビールと言って出されたら信じるよ(笑)
最近のものは本当にビールに近い仕上がりになっているのでメーカーの努力がすごいと思います。
個人的に、「金麦」が飲みやすくてオススメです
値段も安いし味もおいしい。
箱買いして普段飲みするのがコスパ◎
それぞれの見分け方
一部前述していますが
それぞれの見分け方については、缶の表示を見るのがいいです。
ビールの場合

パッケージの正面下部に
- ビール
- 生ビール
- 生
- 麦芽100%
- 非熱処理
- 熱処理
などの記載があります

商品により微妙に違いますが、これらの表記が入っている場合は「ビール」となります
発泡酒の場合

パッケージの正面下部に
- 発泡酒
と記載があります。

これはわかりやすいですね
第三のビールの場合


パッケージの正面下部に
- その他の醸造酒(発泡性)②
- リキュール(発泡性②)
の記載があります。


「ビール」でも「発泡酒」でもなく
これらの表記がされている場合は「第三のビール(新ジャンル)」となります。
注意点:酒類の課税金額は2026年までに統一される
今まで解説してきましたが、一つ注意しなければいけないことがあります。
それは、酒税法は現在、税制改正中であるということです。
現在は「ビール」、「発泡酒」、「第三のビール(新ジャンル)」ごとに課税金額が違うのですが
2026年までに段階的に改正される予定で、最終的にはすべて統一されます。
いくらになるの?もう値上げは勘弁・・・
財務省のHPによると
類似する酒類間の税率格差が商品開発や販売数量に影響を与えている状況を改め、酒類間の税負担の公平性を回復する等の観点から、税収中立の下、酒税改正を実施します。
ビール系飲料の税率について、2026年(令和8年)10月に、1㎘当たり155,000円(350㎖換算54.25円)に一本化します(2020年(令和2年)10月から3段階で実施)。
財務省HP(https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d08.htm)より引用

上の画像で一番左側の図解(ビール系飲料)のところを見ると
ビールの課税額(350ml缶1本あたり)
- 2023年1月現在 ⇒「70円」
- 2023年10月⇒「63.35円」
- 2026年 ⇒ 「54.25円」
ビールの課税額は段階的に安くなるみたいだね
価格に反映されるといいなぁ♪
2026年にはビール類の課税額が統一され、ビールは今よりも下がることになります。
一方、安さが売りだった発泡酒や第三のビール(新ジャンル)は実質値上げとなります。
発泡酒や第三のビール(新ジャンル)は統一されたあと、どうなってしまうのか。
ビール業界の今後の動きも気になるところです。
詳しい内容について気になる方は財務省のHPが参考になります。
【おまけ】このビールはどのジャンル?

これまで、「ビール」、「発泡酒」、「第三のビール(新ジャンル)」の違いについて解説してきました。
突然ですが、ここでビールの分類クイズをやってみましょう。
全部で10問用意してみました。
「ビール検定」にもこの手の問題は出ますよー
下記に出題する商品のジャンルは「ビール」、「発泡酒」、「第三のビール(新ジャンル)」のどれでしょうか。商品名から予想してみてください
早速見ていきましょう。
第1問、キリン、端麗・極上(生)はどの分類?
答えを見る
発泡酒

画像:キリンビール公式HPより引用
この値段でこの飲みごたえならありです。
第2問、サントリー、金麦はどの分類?
答えを見る
第三のビール(新ジャンル)

画像:サントリー公式HPより引用
いつもお世話になっております。ウマすぎです。
第3問、サッポロ、北海道生絞りはどの分類?
答えを見る
発泡酒

画像:サッポロビール公式HPより引用
あまり見かけないけど見つけたら買いです。
第4問、キリン、本麒麟はどの分類?
答えを見る
第三のビール(新ジャンル)

画像:キリンビール公式HPより引用
完成度はかなり高い
第5問、アサヒスーパードライはどの分類?
答えを見る
ビール

画像:アサヒビール公式HPより引用
夏の暑い日に昼間からゴクゴク行きたい
第6問、サッポロ、ホワイトベルグはどの分類?
答えを見る
第三のビール(新ジャンル)

画像:サッポロビール公式HPより引用
ベルギービールが好きな人にはオススメ
第7問、キリン、一番搾り糖質ゼロはどの分類?
答えを見る
ビール

画像:キリンビール公式HPより引用
糖質が気になる僕はお世話になりっぱなし
第8問、サントリー、PSBはどの分類?
答えを見る
ビール

画像:サントリー公式HPより引用
アルコール分5.5%と高め、キリンの糖質ゼロよりガツンと来る(あくまで個人の感想です)
第9問、サッポロ、ゴールドスターはどの分類?
答えを見る
第三のビール(新ジャンル)

画像:サッポロビール公式HPより引用
エビスのホップと黒ラベルの麦芽という強キャラ
第10問、網走ビール、流氷ドラフトはどの分類?
答えを見る
発泡酒

画像:網走ビール公式HPより引用
世にも珍しい青いビール。オホーツク海をイメージしているようです。
お疲れさまでした~。これにて終了です。
いくつ合っていましたか?意外とわからないものですよね。
雑学として知っておくと面白いですよ。
まとめ
これまで「ビール」「発泡酒」「第三のビール」それぞれの違いについて解説してきました。
最後に今回の内容を復習しておきましょう。
【ビール】
- 麦芽、ホップ、水を原料に発酵させたもの
- 副原料に政令指定のものを使用している
- 麦芽の使用比率が50%以上
- 副原料の使用比率が麦芽の使用比率の5%以内
【発泡酒】
- 麦芽使用比率50%未満
- 副原料に政令で定められていない物品を使用している
- 副原料の割合が麦芽使用比率の5%を超えるもの
【第三のビール(新ジャンル)
- 糖類、ホップ、水及び麦芽以外の物品(穀物など政令で定められたもの)を原料として発酵させた酒類でエキス分が2度以上のもの
- 政令で定める発泡酒に麦由来のスピリッツを混ぜたもので、エキス分が2度以上のもの
缶の表記で見分けることができます
ビール
- ビール
- 生ビール
- 生
- 麦芽100%
- 非熱処理
- 熱処理
などの記載がある
発泡酒
発泡酒と記載
第三のビール(新ジャンル)
- その他の醸造酒(発泡性)②
- リキュール(発泡性)②
と表記がある
こんな感じになっています。
違いが分かることで、垣根を越えて色々なビールを楽しむことができるようになります
発泡酒だからと、避けるのはもったいないかも
まずは一度試してみましょう。
そして2026年にはビール類の課税額が1本化されます。
そうなると発泡酒や新ジャンルはどうなってしまうのか
今後のビール業界の動きにも注目です。
今日もおいしい一杯を